皆さま、こんにちは。
これは田舎暮らしに失敗した実話です。成功体験も多いですが、一方で、失敗も…。
地方への移住を支援する認定NPO法人「ふるさと回帰支援センター」(東京都)がこのほど発表した「移住希望地ランキング」。
2022年にセンターの窓口で相談した人が示した移住希望地のランキング(複数回答)によると、1位静岡▽2位長野▽3位栃木▽4位山梨▽5位福岡▽6位広島▽7位宮城▽8位和歌山――の各県でした。
残念ながら、高知は上位に入っていません。人口も減少を続けていますしね。
筆者まんじろうは、須崎市に移り住みましたが、カビが発生して急遽、引っ越しを決意。
次に目をつけたのが、香南市(こうなんし)。高知県東部にある市で、南は土佐湾に面しています。人口も多い都会です。
夢の田舎暮らし、高知移住失敗の転落人生
香南市
香南市は高知県の中心から少し東にあるまちで、人口は約3万3千人。
農業が盛んで、四季を通じて新鮮な野菜や果物が身近にある暮らしができます。
子育て支援にも積極的で、家族で訪れたい施設や観光地もたくさんあります。海・山・川があり、少しの住宅街とふんだんな自然があります。
広域交通網が整備され、高知龍馬空港からも近い。便利だけどちょっと田舎な香南市。地域が元気で体験施設やイベントも多く、四季折々家族みんなで楽しみながら暮らせるまちです。
出典:香南市公式WEBサイト
野市町の不動産屋をあたり、見つけた物件が2階建ての庭付きのアパート。家賃5万円(駐車場代込み)。間取りは1階2階で3DK。
1階に畳6枚分くらいの庭がついていました。
建物は古いですが、気に入ったのですぐに契約。そのとき、「カビは大丈夫ですか?」と不動産屋の営業担当者に確認。
「カビが生えたというのは、どのお部屋からも聞いたことがありません」との回答。
このアパートには8部屋がありましたが、なら安心でしょう。
夢の田舎暮らし、香南市の庭付きアパートを借り、再スタート
いよいよ香南暮らしが始まりました。
近所にレストラン「ガスト」もあります。スーパーの「マルナカ」、ショッピングモール「フジグラン」もあります。コンビニもあれば、居酒屋も豊富。図書館も近くで、便利なところです。
アルバイトも決まりました。とくに楽しかったのは、生姜畑での生姜の土取り作業でしたね。生姜に付着している土をとる。ひたすらとる。それを籠に入れ、運ぶ。
籠に入れる人と運ぶ人は別ですが、そういう農作業の一環でした。
もっとも、シーズンのときだけの仕事(9月~11月)です。
毎日30人くらいの男女が来ていました。グループにわかれ、生姜の土をとりながら、当然、話もする。いろんな人がいましたよ。
家賃1万円のアパートに暮らす40代のフリーター。とくに不自由はないらしい。
この人は博学であった。時間がたくさんあって勉強しているのだろうか。知識が豊富でしたね。
筆者が家賃5万円だと言うと、「もっと安いところに引っ越したかったら、ゆうて。不動産会社と知り合いやきね、紹介しますよ」とのこと。
親切でしたよ。
50代のおばさんは一人暮らしらしく、「来月は20万円の支払いがある。だから働かんといけん」と言い、こまめに来ているらしい。日当7000円だから、3か月間で随分な稼ぎになるようです。
また、70代の坂本龍馬マニアは、とにかく龍馬が大好きで、日本全国、龍馬の足跡を追いかけて旅を続けているらしい。生姜の土をとりながら延々と龍馬談義で、龍馬の素晴らしさを話すのでありました。
夢の田舎暮らし、アパートの庭で野菜を植え、充実した日々を満喫
さて、快適な新居で新たな家具を購入し、部屋を整理し、パソコンをセットし、本も整頓しました。
それから筆者はすぐに庭で野菜を植えました。プランターを百均でそろえ、苗を買い、育てることにしたのです。
キュウリ、プチトマト、ししとう、ウリなど。
スイカを植えるには庭が狭すぎるので、諦めました。というか、スイカを育てるのはかなり難しいようです。
プランターでキュウリ、プチトマト、ししとうを育てる
近くに市民農園もありました。年間5000円で6畳ほどの畑を借りることができるのです。
最初は順調でした。
休みの日には、車で観光スポットに繰り出しました。香南市の景勝地「野市あじさい街道」は1.2キロの土手一面に20~25種類、およそ1万9000株のあじさいが咲きます。「のいち動物公園」にも行きましたよ。ハシビロコウという珍しい鳥がいます。
観光スポット「野市あじさい街道」
さまざまなあじさいを鑑賞
「のいち動物園」珍しいハシビロコウ
移動はすべて自家用車ですね。
電車は本数が少なすぎて、まったく役に立ちません。
夢の田舎暮らし、近くに広大な物部川が流れ、自然も豊か
さらに車で5分のところに、広大な物部川が流れています。
夏のシーズンには、鮎釣り師で賑わいます。上流に行けば、あまご釣りも楽しめるのです。
広大な物部川は鮎釣りが人気
筆者が理想としていた「夢の田舎暮らし」でした。
知り合いもできました。
ところが――。
夢の田舎暮らし、香南市アパートに入居して1年でまたカビが発生!
1年で、またカビが発生したのです!
カビには気をつけてましたが、1階の風呂場の横から、じわじわとカビが広がっていたのです。
これは予想外!
最初は気がつきませんでした。部屋もなんとなくカビ臭くなっていて、まさかと思いました。
調べてみると、古いアディダスの靴、ダウンジャケット2着、スーツ2着、カメラバッグ、布団の一部、食器棚など、どうやら手入れを怠っている古い服や靴など、一部にカビが付着。でも、カビが生えてない靴もありました。
カビ菌ヤロウは不思議で、えり好みしているのでしょうか。
いくら拭いても、拭いても、すぐにカビは増えるのです。
我慢できず、不動産会社に連絡、カビを見てもらいました。
「他の部屋ではカビなんて出たことがありません。もともとカビがついていたんじゃないですか?」
「それはないです。食器棚は高知に来てから購入したものです」
「今年の6月はとくに湿気が多かったですからね」
「最初にカビはない、と言うので、契約したんですよ。これはひどい!」
結局、大家さん(女性)にも来てもらいました。
「前の一戸建て住宅に住んでいたときも、2か月でカビが出て、それが原因で部屋を出たんです。最初にカビのことは確認しましたよ。カビは大丈夫だと言うので、契約したんですよ」
同じことを繰り返しました。相手が女性なので、こちらも大人の交渉でした。
さすがに大家さんは譲歩し、「クリーニング代を出します。請求書をください」と回答。
靴にしても、購入価格の3分の1を請求、ダウンジャケットやスーツはクリーニングに出しました。
3万円ほど請求しました。
夢の田舎暮らし、カビ被害に見舞われ、やむなく退去することに…
とうとう、このアパートも退去することに……。
四万十のほうに引っ越そうかとも考えましたが、またカビに悩まされるだろうと思い、最終的に大阪に戻ることを決意しました。
高知暮らしは1年半。
賃金が安い、交通が不便だという理由もあって、大阪へのカムバックは苦渋の選択とも言えましょう。もちろんしばらく別の場所や海側の家も探しましたが、湿気が多そうで、諦めました。
最終的に引っ越し代やら、住居の敷金やらで、金を使いまくり、金銭的には大損でした。
カビ情報については、インターネットにもほとんど出ておりません。これは住んでみないとわからないことでしたね。
単身で高知に乗り込んだので、大阪に戻ると言うと、妻から「あんた、アホやろ。もう勝手にしいや。無駄な金ばっかり使って、いい加減にしいや。私は田舎になんか住む気はないからね」と怒鳴られ、そのまま別居することに……。
我ながら、転落人生と言えるでしょう。
高知はもうこりごりです!
(後日談:不思議なもので、大阪に戻って大阪に暮らしていると、また高知が懐かしくなってくるのです。高知に行きたい。そんな気持ちが芽生えてくるのでしたww)
まとめ
夢の田舎暮らし、入念に調べて移住しないと失敗しますよ。
最後まで読んでくださり、ありがとうございました。
(文・まんじろう)
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