皆さん、こんにちは!
朝ドラ「あんぱん」(2025年春)は、アンパンマンの作者であるやなせたかしさんと妻の愛と勇気の物語ですね。
アニメ「それいけ!アンパンマン」は皆さん、ご存じでしょうけど、最初のアンパンマン(初代)は大人向けに描かれていました。
実は「人間」だったのです。
空は飛びますが、ブサイクな人間で、物語では最後は撃ち落とされて消えちゃいます。
ええ?
そんな内容で、挿絵で登場したのですね。
ただ、誰にも理解されなかったようですよ。
詳しく見ていきましょう。
最初のアンパンマンは人間、あんパンを配るおじさんだった!
元祖アンパンマンは「人間の顔」をしていました。
1969年、雑誌『PHP』の連載の中で、やなせたかしさんによる読み切りの絵本童話の1作として発表された作品です。この作品の中で、アンパンマンはなんと人間の顔をしたキャラクターとして描かれています。
挿絵で登場したのです。
世界中の飢えた子にあんパンを届けるちょっと太めのヒーロー、おじさんですね。
最後は許可なく国境を越えたため撃ち落されてしまうという物語です。
ええ?
「誰にも理解されませんでした」と、ご本人も語っています。
この元祖アンパンマンはのちに短編童話集『十二の真珠』の中の1話として書籍化され、現在でも手にとることができます。
スカーフのようなものを被り、マントで空を飛ぶ丸顔の人間の姿として描かれています。
大人向けだったようですね。
現在のアンパンマンとはまったく違いますが、お腹を空かせた子どもたちにパンを配るというヒーロー像は共通しています。作者自身も後に「あんパンを配るおじさん」と言っています。
自分でパンを焼いているから、マントには焼けこげがある。太っているし、顔もあんまりハンサムじゃありません。非常に格好の悪い正義の味方を描こうと思ったのです。
──著書『わたしが正義について語るなら』より
この設定は最初、「大人を対象にした内容」でしたから、子どもにはちょっと難しかったようですね。文章は子ども向けですけど。
そこで、のちに「子ども向けに内容を簡略化して現在の姿」となったのです。
だから以前の「人間の時のアンパンマン」と「現在のアンパンマン」は別作品ということ。作品の中でも繋がりはないのです。
格好の悪い正義の味方であるアンパンマンは、自身の従軍経験で身をもって感じた“飢え”があって、そこから生まれたものだということでしょう。
月刊雑誌に初代アンパンマンが挿絵で登場
やなせたかしさんは、漫画家として活動していましたが、ずっと童話を書きたいと思っていて、そんな時、月刊雑誌「PHP」から1年間の短編童話の連載の依頼が舞い込みました。
1年間、12回連載。
この短編童話の中に「アンパンマン」の原型が出てきますよ。
あまり評判にならず絶版となっていたそうですが、やなせさんが93歳の時、復刻版(復刊ドットコム)が出版されました。
いや~、この最初のアンパンマンは衝撃的です!
月刊雑誌「PHP」
空は飛べるんですね。
「お腹を空かせた子どもたちにお腹いっぱいパンを食べさせてあげる」という設定は同じですが、顔をちぎってパンをあげることはなく、お腹からパンを取り出して子どもにあげます。もちろんお腹をちぎるわけでもありませんよ。
しかも、です。
パンをあげようとした子どもに「いらない」と断られたりもします。
大人向けだったので、そうなるのかな?
子どもたちからも嫌われちゃいます。
孤独な太ったアンパンマンおじさんです。
月刊雑誌「PHP」
「ぼくらはみんな生きている。生きているからかなしいんだ」(「手のひらを太陽に」の歌詞)
にも、共通しているような気がしますね。
そして物語の結末も衝撃ですよ。
戦争が続いていた国があり、そこにはお腹を空かせた子どもたちが何も食べるものもなく死にそうになっていました。
アンパンマンは上空から、子どもたちに焼きたてのパンを投げ落としていきました。
「しっかりするんだ。死んじゃいけない。私は何度でもアンパンをはこんでくるぞ」
戦争中です。
爆弾投下?
アンパンマンは敵機の襲撃と間違えられて高射砲にて爆撃されてしまいます。
そんな結末になっています。
果たして亡くなったのか?これについては関連記事で紹介しています。
まとめ
今回は最初のアンパンマンについて取り上げました。初代アンパンマン、元祖アンパンマンとも言われていますが、なんと、人間の顔をしています!格好の悪いヒーローなのです。実に孤独なヒーローとして描かれていますね。
関連記事です↓こちらもお読みください。(外部サイト)
コメント