笠置シヅ子と美空ひばりの不仲説、どんな確執があった?原因はひばりママか?真実は?

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皆さま、こんにちは。
朝ドラ「ブギウギ」を見てますか。
筆者はときどき見てますよ。
モデルとなった笠置シヅ子の本も何冊か読みましたね。

そんななか、やはり気になるのは、美空ひばりさんとの確執。果たして確執だったのか、どんなトラブルがあったのか。ここでひも解いていきたいと思います。

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笠置シヅ子と美空ひばりの不仲説、どんな確執があった?

美空ひばりさんは10歳の頃に歌謡界の表舞台に登場しました。
1948年、『東京ブギウギ』が発売され、爆発的なヒットとなった年なんですね。

最初から大人顔負けの歌唱力でした。
そして笠置シヅ子のモノマネが評判を呼び、“ベビー笠置”として大人気となったのです。

ブギを歌う天才少女」。
有名になっていく美空ひばりさんを最初は笠置シヅ子さんも随分と可愛がっていたようです。
仲はよかったんですね。

1949年、日劇1月公演『ラブ・パレード』の開催時、笠置サイドはひばりさんに笠置の新曲である『ヘイヘイ・ブギ』を歌うな、という通達を出しました(『東京ブギウギ』は許可)。

続けて翌年、ハワイ巡業に行く際にも「笠置シヅ子の歌を歌うな」と申し入れたと言います。

世間は「モノマネが本家の人気を追い越した」と騒ぎはじめ、ついには「笠置さんがひばりさんの才能に嫉妬して“ブギ禁止令”を出した」という通説ができてしまったのです。

ルポライター・竹中労氏の著書『美空ひばり 民衆の心をうたって二十年』(1965年、弘文堂)には、その頃の状況が書かれています。

〈ひばりは笠置シズ子(旧表記)から「舞台で私の歌をうたってはいけない」というクレーム(苦情)をつけられた。笠置にしてみれば、こましゃくれた小娘が自分そっくりの物真似をするのが腹にすえかねたのだろう。そういう心のせまい、意地の悪いところのある人であった〉

しかし、実際のところは少し違うようです。

2人の不仲説はマスコミがあおったもののようで、笠置サイドの意見は真っ当なものでした。
本人たちも、事態を重く捉えることなく、笑い飛ばしていたと言いますから。

ひばりさんは後に「ああいうときに私がちゃんと笠置さんに会いにいっていればよかったのよねぇ」と言っていたそうですし、笠置さんも「ワテが直接言ったわけではないことが、いきなりバーッと記事になる。ワテがまるで強く言っているみたいや」と、笑っていたらしいですね。

もちろん笠置は、ひばりさんの歌のうまさを認めていました。

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不仲説が出た理由とは?原因はひばりママか?

 

笠置シヅ子と美空ひばりの記念写真

 

『ブギの女王・笠置シヅ子 心ズキズキワクワクああしんど』(2010年、現代書館)の著者である砂古口早苗氏は、「不仲説は作られたもの」だと言っていますね。

1949年の『ヘイヘイ・ブギ』を歌わせなかったことは、要は、出したばかりの新曲をすぐにひばりさんに歌われたら困るという真っ当な理由からです。

また、ハワイ巡業の際に「笠置の歌を歌うな」と言ったことも、同年に笠置さんもハワイ巡業を控えていたからです。
日本ではブギは笠置シヅ子の歌だと認知されていましたが、ハワイとなると別。

笠置シヅ子を知らないハワイで、先にひばりさんがシヅ子の曲を歌うと、ブギはひばりさんのオリジナルの曲だと思われてしまう。「ブギを歌わないで」というのは正当な主張だったんです。

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笠置サイドが悪役にされた理由とは?その真実とは?

それにしても、笠置サイドがまるで悪役のように語りつがれてきたのはなぜでしょうか。
筆者も笠置サイドが強引に主張したのか、と思いましたが、そうではなく、どうやら背景としてひばりさんの母である加藤喜美枝氏の存在があるようです。
これについては、砂古口早苗氏も指摘していますね。

「喜美枝さんは“元祖ステージママ”で、母親でありながら美空ひばりのプロデューサーでもあった。始終ひばりさんの横で、彼女が一番輝けるよう、主演映画のカメラワークにまで口を出したなど逸話はつきません」

どうやらひばりさんのインタビューや自伝、評伝の大部分は、代弁者である喜美枝さんが話しているもので、ひばりさんを引き立てるために、笠置さんを「悪」と喧伝するようになり、それをことさらマスコミが煽ったというのが真相のようですね。

これについては、いろんな書物でも、最近は明らかにされています。

このあたりの問題を朝ドラ「ブギウギ」では、どう描いていくのでしょうか。とても気になります。ついでに言えば、ひばりさんをだれが演じるのか、も……。

まとめ

笠置シヅ子と美空ひばりの不仲説をご紹介しました。2人は決して不仲ではなかったんですね。それがわかりました。

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