このところ、街から書店が急速に消えていっていますね。
かつて駅前や商店街で見かけた書店の数は、この20年間で半分以下に至るまで減少しました。
2万3000店ほどあったものが、2018年には約1万2000店にまで減ったそうです。
この急速な減少は、出版業界特有の構造的問題や、時代の変化が複雑に絡み合っているようです。
今回は「街から書店が消える」をテーマにいろいろとまとめてみました。
最後までお読みください。
街から消える書店の未来とは? 減少する理由と今後の展望
松信健太郎著「2028年街から書店が消える日」(プレジデント社)は、かなり衝撃的でした。
ええ、書店が消える?
いや、すでに消えていってるから、あながちオーバーな表現ではないな、と思っちゃいましたね。
以下、同書の解説文です。(抜粋です)
この本を手に取ってくださって、ありがとうございます。 あなたは、きっと本が大好きな方か出版界の関係者なのでしょうね。
そんなあなたは、日本から街の本屋が消えている日が想像できますか? なぜ今、街から本屋が消えているのだと思いますか?
「出版社に原因がある」「本屋に責任がある」「取次が悪い」「読者の活字離れ」、
本屋が消えつつある理由は、単純なものではないでしょう。
この答えを出すために日本初の試みとして出版界のプロフェッショナル達が実名(一部匿名)で、
それぞれの立場で本屋について熱く本音を語っていただきました。
書店が消え続ける理由だけでなく、書店の明るい未来への希望も感じられる内容になっています。
書店が減少する理由
2024年4月30日、青森県弘前市土手町にある県内有数の大型書店「ジュンク堂」が12年目で閉店。
弘前市では、これまで2000年に「今泉本店」が、2019年に全国展開する「紀伊國屋書店」が閉店です。
八戸市でも去年、96年間も地元に親しまれてきた「木村書店」が店を閉じました。
本が売れなくなっていることが直接的な原因の一つですが、これでは説明がつきません。
日本特有の仕組みも考えないといけないでしょう。
欧米では、書店は主に書籍のみを扱い、雑誌はニューススタンドなどで販売されることが一般的です。
日本は出版流通を支える「取次」と呼ばれる中間業者が、全国の書店に雑誌や書籍を一括配送するというシステムです。
これは他国にはない独特のものですね。
雑誌の売上が大幅に減少し、次の効率性が失われた結果、書店経営の難しさが増しているのでしょう。
ブックアドバイザーの菊池壮一さんは、書店が減少している理由について次のように語っています。
菊池さんは東京・池袋の大型書店で40年も勤められた方です。
「1996年をピークにして売り上げは落ちてきているわけですが、2000年に大きなネット書店が日本に上陸し、
その影響も大きかったと思います。書店の方もいまひとつ、力を入れて対策を練ってこなかったという部分もあると思います」
菊池さんが指摘するように、インターネット書店の登場とインターネットの普及は、
従来の書店業界に大きな影響を与えました。
さらに、書店側もこれに対して明確な対策を打ち出さず、
結果的に街から本屋さんが次第に姿を消していると思われますね。
独立系書店の台頭や定期購読の戦略
しかし、「独立系書店」と呼ばれる個人経営の小規模な書店が全国的に増加しています。
たとえば、2020年に青森県弘前市でオープンした書店では、
元は居酒屋だった店舗に約1500冊の本が並び、棚には「人生について考える」といった独自のテーマで本が並んでいます。
この本の独自性が、読者に新たな本との出会いを提供しているのです。
独立系書店の店主たちは、経営が厳しい中でも、書店の灯を消さないために様々な工夫を凝らしています。
本の利幅が定価の2、3割しかない中で、従業員を持たず、自分一人で経営を続けている独立系店主もいます。
また、定期購読者への配達サービスで成り立っている雑誌もありますね。
新聞広告などでたびたび見ますけど。
確かに市販されてはいませんが、定期購読者だけをカバーしている月刊誌は多いですね。
市が運営する「八戸ブックセンター」
書店を守るために行政が関与するケースも増えてきていますね。
青森県八戸市にある「八戸ブックセンター」は、市が運営する公共書店です。
こんな書店があるんですね。
市民に新たな本との出会いを提供し、
読書会や作家のトークショーなど、様々なイベントもやっているとか。
筆者が住む大阪でも、作家のトークショーなどを扱っている書店はありますね。
地域密着型書店になるのでしょう。
書店の未来への展望
書店の数が減少しているなか、独立系書店やさらには行政による公共書店など、新たな枠組みでの書店経営が検討されているということでしょうか。
書店は、ただの本を売る場所ではなく、文化や知識を提供し、人々が新たな発見をする場でもありますね。
街に書店が存在することは、地域の活性化や文化の発展にも繋がることでしょう。
書店の灯を消さないために、私たちができることを考えていく必要がありますね。
まとめ
書店がどれくらい減るのか。筆者にはわかりません。ただ、強く言えることは書店は絶対に必要だということ。
たとえば、芥川賞や直木賞の受賞作。本屋さんに並んでいれば、読みたくなりますよね。
ネット注文だと、手元に届くまでに時間もかかります。
書店で買うのがいちばん手っ取り早いのです(早く読みたいから)。
書店は消えてはいけない、と筆者は思いますが、皆さんはどうでしょうか。
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