女子プロレスの新時代!スターダム・上谷沙弥がバラエティ番組で起こしている革命
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はじめに
2025年、女子プロレス界からひとりのレスラーがお茶の間を席巻しています。スターダム所属のヒールレスラー、上谷沙弥選手です。「令和の極悪女王」の異名をとる彼女は、リングの上での圧倒的な強さと悪役としてのカリスマ性を持ちながら、テレビのバラエティ番組では驚くほど素直で一生懸命な素顔を見せ、多くの視聴者の心を掴んでいます。かつてバラエティ番組に登場する女子プロレスラーといえば、ダンプ松本選手など昭和の伝説的レスラーがほとんどでした。しかし今、令和のリングに立つ現役選手が、バラエティというフィールドで新たな歴史を刻んでいます。今回は、上谷沙弥選手の経歴から、バラエティ進出の経緯まで、詳しくご紹介します。
上谷沙弥、その異色すぎる経歴
上谷沙弥選手(本名:上谷沙弥)は1996年11月28日生まれ、神奈川県出身です。プロレスラーとして活躍する彼女ですが、そのキャリアの出発点はダンスとアイドルでした。
小学校3年生からLDH(EXILEグループが手がける芸能プロダクション)が運営するダンススクール「EXPG」に通い、高校卒業まで本格的なストリートダンスを習い続けます。その実力は本物で、中学生時代にはヒップホップダンスの国際大会「WORLD HIPHOP DANCE CHAMPIONSHIP」のジュニア部門でなんと世界第2位を獲得。さらに高校生のときには、EXILEの東京ドーム公演でバックダンサーを務めるという輝かしい実績を残しています。
2014年には「バイトAKB」のメンバーに合格し、AKB48のチームA劇場公演のバックダンサーも経験しました。NHK紅白歌合戦のリハーサルにも参加するなど、アイドルとして精力的に活動します。しかし2015年2月にバイトAKBの契約が満了。その後はNGT48の1期生オーディションで最終審査まで残るも惜しくも落選し、アイドルの夢を追い続けます。
転機が訪れたのは2018年のことでした。同年10月、スターダムの選手・中野たむ選手がプロデュースしたアイドルユニット「スターダム★アイドルズ」に加入したことで、プロレスの世界と接点を持ちます。この時点ではプロレスをほとんど見たこともなかったという上谷選手ですが、長身とダンスで培った卓越した運動神経、器械体操の経験などから、中野たむ選手にプロレスラーの素質を見出されてスカウトされます。
2019年1月からスターダムの練習生となり、同年7月にプロテストに合格。8月10日、後楽園ホール大会の渡辺桃選手とのシングルマッチでプロレスラーとしてデビューを果たします。その年の12月には「ルーキー・オブ・スターダム」で2019年新人王を獲得。まさに彗星のごとくリングに現れた逸材でした。
デビューからわずか1年後の2020年には、林下詩美選手とのタッグでゴッデス・オブ・スターダム王座を獲得。2021年にはシンデレラ・トーナメントで優勝し、同年末にはワンダー・オブ・スターダム王座を奪取するなど、スターダムの頂点へと駆け上がっていきます。2023年にはワンダー・オブ・スターダム王座の最多連続防衛記録(15度)を樹立するなど、文句なしのエース的存在となりました。
2024年7月、衝撃のヒールターン
順風満帆に見えたキャリアの中で、2024年7月28日、プロレスファンにとって忘れられない夜が訪れます。
札幌大会のメインイベント、舞華選手対刀羅ナツコ選手のワールド・オブ・スターダム王座戦。この日、上谷選手は舞華選手のセコンドとしてリングサイドに立っていました。しかし試合中、突如レフェリーの足を引っ張り、舞華選手の勝利を阻止する行動に出ます。その後、刀羅ナツコ選手率いる新ヒールユニット「H.A.T.E.(ヘイト)」への加入を宣言。誰もが予想しなかった衝撃のヒールターン(悪役転向)でした。
SNS上では「似合わない」「信じられない」という声も上がりましたが、上谷選手はそのバッシングすらエネルギーに変えていきます。後に本人は「ヒールにとって、ブーイングは声援と同じ。嫌われるのが怖くなくなったから、リミッターが外れて、やっと自由にプロレスができるようになった」と語っています。ヒール転向後の上谷選手はますます輝きを増し、2024年末には中野たむ選手からワールド・オブ・スターダム王座を奪取。そして2025年12月には東京スポーツ新聞社制定プロレス大賞のMVP(最優秀選手賞)を、女子選手として52年の歴史で初めて受賞するという快挙を成し遂げました。
バラエティ番組への進出——その始まりは2025年2月
女子プロレスとバラエティ番組の組み合わせといえば、長らくダンプ松本選手をはじめとする「昭和の女子プロレス」のレジェンドたちが中心でした。現役の女子プロレスラーが地上波のゴールデン帯バラエティに出演するというのは、非常にまれなことだったのです。
その常識を変えたのが、上谷選手の2025年2月23日の「千鳥の鬼レンチャン」(フジテレビ系)出演です。この日が、一般視聴者に向けた「お茶の間デビュー」となりました。
企画は「女子300m走サバイバルレンチャン」。芸能人や各界のスポーツ選手が300メートルを走り、最下位は即脱落というハードなサバイバルレース企画です。上谷選手はヒールユニット・H.A.T.E.の刀羅ナツコ選手と琉悪夏選手のサポートを受けながら奮闘。「もうしんどい」と泣きっ面を見せながらも走り続け、決勝まで残る健闘を見せました。また、番組の紹介VTRでは「プロレスブームが来ているのに、バラエティに呼ばれるのはダンプ松本選手ら昭和のレスラーが多い。そこで止まっているのが悔しい」と涙ながらに訴え、「プロレスをいろんな人に見てもらいたい」という強い思いを語りました。この姿がSNSで大きくバズり、一気に注目を集めることになります。
バラエティでの活躍が止まらない
「千鳥の鬼レンチャン」への出演を皮切りに、上谷選手のバラエティ進出は加速していきます。
2025年4月7日には日本テレビ「しゃべくり007」に、スターダムの中野たむ選手らとともに出演。新日本プロレスの棚橋弘至社長も同席するという豪華な顔ぶれの中で存在感を示しました。
同年5月9日には、TBS「ラヴィット!」に出演。電気椅子のリアクション企画で見せた絶妙なリアクションが好評を博し、その後シーズンレギュラーとして定着。2026年3月まで繰り返しの出演が続きました。
5月15日放送のテレビ朝日「アメトーーク!」でも紹介されるなど、メディア露出は急増。11月24日にはTBS「KUNOICHI 2025 秋」(女性版SASUKE)にも出演し、各界から集まった50人の中で存在感を放ちました。さらにTBS日曜劇場「リブート」(鈴木亮平さん主演)へのゲスト出演も果たし、ドラマの世界にも活躍の場を広げています。
なぜバラエティで支持されるのか
リングでは「悪役」として振る舞いながら、バラエティでは素直で一生懸命な素顔を見せる——このギャップこそが、上谷選手のバラエティでの人気の秘密です。
アイドル時代からさまざまなメディアで活動してきた経験が、カメラの前での自然体につながっているとも言えます。「千鳥の鬼レンチャン」でも、ハードな企画に泣きそうになりながらも最後まで諦めない姿が「かわいい」「応援したい」という声を呼びました。「ラヴィット!」では電気椅子に”撃沈”するリアクションが絶妙で、数々の激闘を乗り越えてきたプロレスラーが電気椅子に叫ぶというギャップが笑いを誘いました。
本人はバラエティ出演についてこのように語っています。「バラエティは見ている母数が違う。自分に興味を持ってもらい、女子プロレスを見に来させたいから」「バラエティでの姿はリングには引きずらない。自分のヒールとしてのスタイルが崩れたら本末転倒」。リング内と外で意図的にキャラクターを使い分けながら、女子プロレスの認知度向上を一手に担っているのです。
おわりに
バイトAKBのアイドルから、ヒップホップダンスの世界2位、そしてスターダムの「令和の極悪女王」へ——上谷沙弥選手の歩みは、まさに波乱万丈です。2024年7月のヒール転向という決断が、彼女自身を解放し、プロレスの枠を超えた存在へと押し上げました。
ダンプ松本選手ら昭和のレジェンドが切り開いた「女子プロレスラーのバラエティ出演」という道を、令和の現役選手として継承し、さらに広げているのが上谷選手です。「女子プロレスを世間に届けたい」という強い信念は、リングの上でも、テレビの前でも、一切ぶれていません。
バラエティを入口に女子プロレスに興味を持った方は、ぜひスターダムの試合を観に行ってみてください。きっとリングの上の「沙弥様」に、度肝を抜かれるはずです。

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