皆さん、こんにちは。
本日はサウジアラビアのアニメ関連の話題を取り上げます。
実はサウジアラビアとアニメとの関係性が良くわからなくて、
調べてみたのです。
中東の一大産油国として知られるサウジアラビアは現在、
石油依存からの脱却を図り、経済の多角化を目指した大規模な改革「ビジョン2030」を推進しているのです。
この構想の一環で注目されるのが、アニメなどのエンターテインメント産業の強化です。
特にアニメ分野においては、国内企業が制作したアニメが初めて日本の地上波で放送されるなど、
急速に国際的な存在感を増しています。
この記事では、サウジアラビアがエンターテインメント分野に注力する背景と、
その具体的な取り組みについて考察します。
サウジアラビアがアニメ産業に注力する背景と戦略とは?
サウジアラビアの「脱石油」と「ビジョン2030」
サウジアラビアは長年、石油産業に経済の大部分を依存してきました。
しかし、石油価格の変動や持続可能なエネルギーへの世界的な転換が進む中で、
石油依存のリスクが顕著になり、経済多角化が急務となりました。
このため、サウジアラビア政府はムハンマド皇太子が主導する「ビジョン2030」政策を策定。
これは石油以外の産業を育成し、観光、エンターテインメント、スポーツ、テクノロジーなど多岐にわたる分野を支援する計画です。
アニメ産業は、この改革の一環として重要な役割を担っています。
エンターテインメント産業の拡大と「アサティール」
サウジアラビアは、日本のアニメの大ファンであるムハンマド皇太子の影響もあり、
アニメ産業に対しても積極的な支援を行っています。
首都リヤドに拠点を構える「マンガプロダクションズ」はその代表的な企業であり、
日本の東映アニメーションとの共同制作で「アサティール2 未来の昔ばなし」というアニメを制作しました。
このアニメは、サウジアラビアの未来都市を舞台に伝統的な民話を子どもたちに伝える内容で、
日本の地上波放送が決定しました。
(テレ東BIZアニメ「アサティール2 未来の昔ばなし」は11月から)
日本での放送を通じて、サウジアラビアは自国文化の認知度を高め、
日本と中東の文化交流を促進する狙いがあります。
マンガプロダクションズのCEOであるブカーリ・イサム氏は、
日本のアニメから自身が受けた影響を振り返り、
「多くの子どもたちにサウジアラビアを身近に感じてもらいたい」と述べており、
日本市場での成功に期待を寄せています。
「キディヤ」プロジェクトとドラゴンボールのテーマパーク
テーマパーク予想図
サウジアラビアのエンターテインメント産業における注目のプロジェクトが、「キディヤシティ」です。
これはリヤド近郊で進行中のギガプロジェクトで、
テーマパークや映画館、スポーツ施設、ホテルなどが併設されるエンターテインメント都市です。
特筆すべきは、世界で初めて「ドラゴンボール」のテーマパークを建設する計画で、
日本の人気アニメ作品を取り入れることで、国際的な観光客の誘致を図っています。
「ドラゴンボール」テーマパークは、50万平方メートル以上の広大な敷地に、
アニメでおなじみの「カメハウス」や「カプセルコーポレーション」、
さらに巨大な「神龍」像を備えたアトラクションが再現される予定です。
五つの画期的なライドを含む30を超えるアトラクションを備え、
世界中のファンがアニメの世界に入り込み、キャラクターとともに冒険を楽しむことができます。
このような大規模なテーマパークの建設は、
サウジアラビアがエンターテインメント分野で世界の中心的存在を目指していることを示しています。
エンターテインメント産業への投資による経済効果と国際的影響
エンターテインメント産業への積極的な投資は、サウジアラビア経済に新たな収益源をもたらし、
長期的な成長につながると期待されています。
イサムCEOは、2030年までに中東地域のエンターテインメント市場は2倍、
あるいはそれ以上に成長する可能性があると語っています。
日本とサウジアラビアの共同制作をはじめとした国際的なパートナーシップは、
アニメを通じて文化交流を促進し、観光業をはじめとする他産業の発展も期待できます。
また、日本のアニメに対する世界的な人気は、
サウジアラビアがエンターテインメント産業で競争力を持つきっかけとなり得ます。
サウジアラビアは、今後は「オイルマネー」から「コンテンツマネー」「エンターテインメントマネー」へと収益源をシフトさせ、
国内経済の新たな柱を形成する意向です。
アニメやエンターテインメントを通じて若年層に親しみやすいイメージを築くことで、
サウジアラビアはこれまでの「産油国」としての認識を変え、
新たな国際的地位を確立する狙いがあります。
まとめ:サウジアラビアが描く未来の可能性
サウジアラビアのエンターテインメント産業への取り組みは、
石油依存からの脱却と国際競争力の強化という二つの目的を同時に達成しようとするものです。
アニメ「アサティール」の日本放送や「キディヤ」プロジェクトにおける「ドラゴンボール」テーマパークなどの事例は、
サウジアラビアがエンターテインメント分野で革新的なアプローチを取っていることを示しています。
こうした取り組みが成功すれば、
サウジアラビアはアニメ・エンターテインメント産業における新興大国としての地位を確立し、
経済的な自立と国際的な影響力の両方を確保する可能性を秘めていますね。
このように、アニメをはじめとしたエンターテインメント産業の育成は、
サウジアラビアが未来に向けて挑戦し続ける姿勢を象徴するものであり、
国際社会において新たな存在感を発揮するための重要な戦略といえるでしょう。
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