【本サイトのリンク先には広告が含まれています】
『クレイジージャーニー』ガラパゴス諸島がゴミの島に?世界遺産でいま何が起きているのか
2026年10月5日放送のTBS系『クレイジージャーニー』では、裏世界ジャーナリスト・丸山ゴンザレスさんの南米取材旅の新章がスタートします。
今回の舞台のひとつとなるのが、世界的な観光地として知られるガラパゴス諸島です。
ガラパゴスと聞けば、ゾウガメやウミイグアナ、ダーウィンフィンチなど、ここでしか見ることのできない生き物たちが暮らす「進化の楽園」を思い浮かべる人が多いでしょう。
ところが、そんな美しい島々にいま、深刻な問題が起きています。
それがごみ、なかでも海洋プラスチックごみの問題です。
「このままでは、10年後には“ゴミの島”になってしまうのでは?」
そんな不安さえ感じさせる状況だと知り、気になったのでガラパゴス諸島の歴史とともに、現在何が起きているのか調べてみました。
『クレイジージャーニー』丸山ゴンザレスがガラパゴス諸島へ
10月5日放送の『クレイジージャーニー』では、丸山ゴンザレスさんがエクアドルへ向かいます。
TBSの公式番組情報では、今回のガラパゴスについて、単なる観光地ではなく、麻薬密輸に関わる船の「給油地」になっている可能性など、楽園の裏側に迫る内容が予告されています。
ガラパゴスと麻薬組織という組み合わせだけでも驚きます。
しかし、島が抱えている問題はそれだけではありません。
観光客の増加、人口増加、物流の拡大、外来生物、漁業、そして海から大量に押し寄せるプラスチックごみなど、世界的な自然遺産を守るうえで数多くの課題を抱えています。[ガラパゴス協会]
なかでも近年、大きな問題として注目されているのが海洋ごみです。
そもそもガラパゴス諸島とは?

画像引用:https://www.pbcruise.jp/blog/2024/12/10/galapagos-islands/
ガラパゴス諸島は、南米エクアドル本土から西へ約1000キロ離れた太平洋上にあります。
19の主要な島々と周囲の海域からなり、火山活動によって誕生した島です。
長期間、大陸から隔離されていたことから、独自の進化を遂げた生物が数多く生息しています。ユネスコはガラパゴスを「生きた博物館、進化の展示場」と表現しています。
人間に知られるようになった歴史も興味深いです。
1535年、パナマからペルーへ向かっていたスペイン人司教トマス・デ・ベルランガの船が海流によって流され、偶然島々へ到着したことが、ヨーロッパ人による「発見」とされています。
そして1832年にはエクアドル領となりました。
その3年後の1835年9月、歴史を大きく変える人物がやってきます。
チャールズ・ダーウィンです。
ダーウィンは測量船ビーグル号でガラパゴスを訪れ、島ごとに異なる生物を観察しました。この体験は、のちに彼が進化論を考えるうえで重要な材料となったとされています。
1978年には、ガラパゴス諸島はユネスコの世界自然遺産に登録されました。
まさに、人類全体で守らなければならない場所なのです。
ところが現在、海岸には大量のプラスチックごみが

そんなガラパゴスで、現在深刻になっているのがプラスチック汚染です。
調査では、ガラパゴスの広範囲の海岸からプラスチックが確認されており、研究対象となったすべての主要な地域で汚染が確認されています。
漂着するものは、
ペットボトル、食品容器、ビニール類、漁網、釣り糸、ロープ、プラスチック片など実にさまざまです。
さらに厄介なのが、長い年月と紫外線、波などによって細かく砕けたマイクロプラスチックです。
2026年に発表された研究でも、ガラパゴスの海岸で多数のマイクロプラスチックが確認され、ウミガメの営巣域では特に高い蓄積がみられた場所もありました。[サイエンスダイレクト]
見た目には美しい砂浜でも、実際には小さなプラスチック片が混ざっている可能性があるということです。
これはかなりショックですね。
驚くことに95%以上が「島の外」から?
さらに驚いたのが、ごみの発生源です。
「観光客が捨てているんじゃないの?」
と思ってしまいますが、それだけではありません。
Galapagos Conservation Trustなどによる調査では、ガラパゴスの海岸に漂着するプラスチックの95%以上がガラパゴス海洋保護区の外から来ている可能性が指摘されています。
つまり、ガラパゴスの住民がどれだけ努力してごみを減らしても、海の向こうから次々とごみが流れてくるのです。
なんとも理不尽な話です。
ガラパゴス周辺は複数の海流が交わる場所にあります。
そのため南米大陸沿岸などから海へ流出したプラスチックが、海流に乗って遠く離れた島々までやってきます。
実際、漂着したプラスチック製品を調べると、エクアドル本土だけでなく、ペルーや中国などの表示が確認されています。
2024年の研究では、ガラパゴスの遠隔地の海岸ではプラスチックボトルの漂着量が非常に多く、その少なくとも13%は船舶から不法投棄された可能性があると分析されています。
漁業関係のごみも深刻
もうひとつ大きな問題が、漁業から出るごみです。
漁網や釣り糸、ロープ、浮きなどが海を漂い、そのままガラパゴスへ流れ着くケースがあります。
こうしたごみは、単に景観を悪化させるだけではありません。
アシカやウミガメ、海鳥などが絡まり、けがをしたり、最悪の場合は命を落としたりする危険があります。
研究では、ガラパゴスに生息する52種の動物でプラスチックへの接触が確認され、そのうち20種は固有種だったと報告されています。被害には誤飲と絡まりがあります。
ガラパゴスでしか生きられない動物が、人間が遠く離れた場所で捨てたプラスチックによって傷ついているのです。
観光客の増加も島に負担をかけている
もちろん、外部から流れ着くごみだけが問題ではありません。
ガラパゴスは世界有数の観光地になり、観光産業の発展とともに人口や物流も増えてきました。
特に観光拠点となるサンタクルス島では、急激な人口と観光の拡大によって、ごみ処理をはじめとする公共サービスへの負担が大きくなっています。
かつては地域で発生したごみが、ほとんど処理されないまま捨てられていた時代もありました。その後リサイクル施設が整備され、サンタクルス島ではごみの再資源化も進められています。
ガラパゴス国立公園でも観光客に対し、ごみを持ち帰り、有人地域や船内で適切に処理・リサイクルすることを求めています。
「自然を見に行く観光」が、その自然に負担をかけてしまう。
これは世界中の観光地が抱えている難しい問題なのかもしれません。
6年間で回収したプラスチックごみは80トン
当然、現地も手をこまねいているわけではありません。
ガラパゴス国立公園のレンジャーらは海岸の清掃を続けています。
Galapagos Conservation Trustによると、近年の6年間だけでも、ガラパゴスの海岸から約80トンものプラスチックごみが回収されたとされています。
80トン。
想像するだけでも、とんでもない量です。
しかも、一度きれいにすれば終わりではありません。
潮の流れによって新しいごみがまた漂着してくるため、回収作業には終わりがありません。
世界中から流れてくるごみを、人口の少ない島の人々が回収し続けなければならないわけです。
ガラパゴスは本当に「ゴミの島」になってしまうのか
では、本当に10年後、ガラパゴスは「ゴミの島」になってしまうのでしょうか。
これは現段階では、科学的に決められた未来ではありません。
むしろ大切なのは、そうならないための対策が今まさに行われていることです。
ユネスコも2025年、ガラパゴスのプラスチック汚染を「継続的な問題」と位置づけ、エクアドルが策定した2030年までの沿岸・海洋プラスチック汚染管理計画を評価する一方、十分な人員と予算を確保して対策を進めるよう求めています。
つまり、まだ手遅れになったわけではありません。
ただし、ガラパゴスだけが頑張っても解決できない問題であることも明らかです。
「進化の楽園」が世界のごみ問題を映している
ガラパゴス諸島は、ダーウィンの進化論にも大きな影響を与えた世界でも特別な場所です。
1535年にヨーロッパ人に知られ、1835年にダーウィンが訪れ、1978年には世界自然遺産となりました。
しかし現在、その「進化の楽園」の海岸には、遠く離れた国々からペットボトルや漁具などが流れ着いています。
現地では懸命な清掃活動が続けられているものの、回収してもまた漂着する。その繰り返しです。
今回の『クレイジージャーニー』で丸山ゴンザレスさんが訪れるガラパゴスは、美しい自然だけを見れば、今もまさに「楽園」です。
しかし、その足元には世界が抱える別の現実が押し寄せています。
ガラパゴスのごみ問題は、決してエクアドルだけの問題ではありません。
日本を含め、便利なプラスチック製品を大量に生産し、消費している私たちにもつながっています。
「10年後にはゴミの島になってしまうのではないか」。
そんな未来を現実にしないためにも、ガラパゴスで何が起きているのかを知ることが、まず第一歩なのかもしれません。
過去のクレージージャーニーの記事です↓



コメント