「中之島美術館」開館1周年、大阪の日本画展、北野恒富など60人超の名作が初めて大集結!

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「大阪中之島美術館」開館1周年記念特別展を開催、過去に類を見ない規模で初めての大阪の日本画展!

「大阪中之島美術館」(大阪市北区)は、開館1周年を迎え、過去に類を見ない大規模な展覧会「大阪の日本画」展を開催。1月21日から4月2日まで。

北野恒富「宝恵籠」昭和6年頃 大阪府立中之島図書館

 近代大阪を代表する3人の巨匠――北野恒富、菅楯彦、矢野橋村。
それぞれの門下生の作品も展示。見応えがありますよ。

この3人は「人物画」「風俗画」「新南画」と描くジャンルは異なりますが、大阪の街で育まれた作品を描き、大阪の文化の発展に尽力し、大正から昭和にかけて一時代を牽引しました。
大阪に暮らすことで、大阪らしい日本画を創作して活躍したのです。

生田花朝「だいがく」昭和時代 大阪府立中之島図書館

北野恒富など巨匠の作品がそろう、近代大阪の日本画に光

最も有名な北野恒富について、紹介しておきます。

共に北野恒富作

現在の石川県金沢市に生まれた北野恒富は、明治30年に上阪、新聞挿絵やポスター制作の仕事をしながら、本格的に日本画を学びました。
明治43年、第4回文部省美術展覧会に初入選。大阪を代表する画家として活躍しました。
恒富の描く人物は、妖艶かつ退廃的な雰囲気をもち、京都の画家たちから「画壇の悪魔派」と揶揄されましたが、顔を綺麗に描いた美人画とは異なり、人の内面を画面全体で描出しています。
とりわけ着物の模様に工夫を凝らし、絵の物語性も暗示するなど、市井の感覚を敏感に感じ取りながら、描き方や人物の表現などを巧みに変えていきました。

本展は、明治から昭和に至る近代大阪の日本画に光をあて、作品が生まれた背景にも目を向けることで、個々の作品の魅力や画壇のあり方をより深く知るとともに、今につながる大阪の街の文化を浮き彫りにしています。

記者内覧会の様子

なお、記者内覧会では、大阪中之島美術館館長・菅谷富夫氏と同美術館主任学芸員・林野雅人氏が登壇しました。

「大阪からの視点を大事にし、大阪の美術館としてモノを見ています。日本画がどのように発展したのかも含め、(このような大規模展をすることで)日本の美術館を豊かにしていきたいです」(菅谷館長)

「大阪でどのような日本画が描かれてきたのか、その背景にある大阪の文化にも触れて欲しい。約60名の名作が集結し、開館1周年として初めてワンフロアを使った展示になります。大阪らしい――大阪の風俗や習慣を画材にしたものなど、楽しんで欲しいですね」
(林野学芸員)

見どころは多岐にわたり、六章構成になっている

見どころは多岐にわたります。

六章構成になっています。

第一章 ひとを描く―北野恒富とその門下
第二章 文化を描く―菅楯彦、生田花朝
第三章 新たなる山水を描く―矢野橋村と新南画
第四章 文人画―町に息づく中国趣味
第五章 船場派―商家の床の間を飾る画
第六章 新しい表現の探求と女性画家の飛躍

作品点数は166点(前期と後期にわかれる)

素晴らしい大阪の日本画が勢ぞろい。心に残る作品も多いです。
興味のある方は足を運んではいかがでしょうか。

(北代靖典)

◆会期:1月21日(土)~4月2日(日)
月曜休館(3月20日は開館)
◆会 場:大阪中之島美術館(大阪市北区中之島4-3-1)
◆観覧料:一般1700円、高大生1000円、中学生以下無料

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