全国的に広がる空き家問題、空き家率1位はどの県か?

社会

最近は田舎暮らしが人気を呼んでいます。都会から田舎へ移住する人も増えているようですが、一方で、空き家問題が取り沙汰されています。空き家率の全国1位はどこかご存知ですか?それは山梨県です。2位和歌山県、3位長野県です(政府統計)。放置されたままの空き家は、倒壊の危険や景観の悪化、さらには犯罪などにもつながる恐れがあるため、各地で対策が急がれています。そんな空き家率をランキング形式で取り上げました。今後どうなるかも紹介しています。

高知県の空き家、まったく住めない状態

全国空き家率トップ3とは?

 総務省では、5年ごとに「住宅・土地統計調査」を実施。その中で全国の空き家件数を調査しています。今回は2018年の調査データをもとに、住宅総数に占める空き家の比率が高い都道府県をランキング形式で取り上げ、将来的にはどうなるかも調べてみました。

まず空き家率トップ3をご紹介しましょう。

(出典:政府統計e-stat「住宅・土地統計調査」)

第3位は「長野県」です。住宅総数に占める空き家の割合は19.6%。空き家の総数では19万7300戸です。

長野県では、空き家相談専用のWebサイトを開設したり、市町村に空き家対策の専門家を派遣してサポートしたりして、対策を進めています。また、長野県へ移住を検討している人に向けて空き家の情報を提供するWebサイト「楽園信州空き家バンク」なども運営しています。

第2位は「和歌山県」です。住宅総数に占める空き家の割合は20.3%です。空き家の総数は9万8400戸。和歌山県では、空き家に関する相談をワンストップで対応できる窓口「空き家相談センターわかやま」を設置。移住者が空き家を修繕する際の費用を一部補助する制度を用意するなどの対策を推進しています。

町によっては農業後継者の確保につなげようと専門チームを立ち上げるなど、地域課題の解決に活用しようという動きも見られます。

全国で最も高い空き家率1位は、山梨県。住宅総数に占める空き家の割合は21.3%

山梨県、バックに富士山を望む本栖湖。

第1位は「山梨県」です。住宅総数に占める空き家の割合は21.3%。全国で最も低い埼玉県(10.2%)と比べると、随分と高くなっています。空き家の総数は9万戸でした。

山梨県では、空き家を活用したビジネスの普及・促進を図るため、さまざまな制度を設けています。空き家の専門家の連絡先や相談会の情報などを知らせる「やまなし空き家相談手帳」を配布するなど対策を実施。さらには各自治体の職員が地元の魅力を発信するなど、移住者の誘致にも積極的に取り組んでいます。

釣りも盛んです。

山梨県には、筆者が住む大阪から何度か釣りに出向いたことがあります。本栖湖では虹鱒が釣れますから。風光明媚な自然に恵まれた素晴らしいところですが、しかし、山梨県の空き家問題は頭の痛いところでしょう。

空き家の数については、やはり東京都が最も多いです。

47都道府県を対象とする「空き家数」についての都道府県ランキングでは、1位は東京都、 2位は大阪府、 3位は神奈川県です。空き家が最も少ないのは、鳥取県でした。

空き家を放置すると老朽化が進み、倒壊すれば管理責任が問われかねないです。この問題は、今後さらに重要課題となってくるでしょう。

高知県も空き家問題が深刻化

筆者の生まれ育った高知県も、空き家問題が深刻化しています。

高知県内に空き家総数は7万4600戸、空き家率は19.1%。空き家は県内で毎年2000戸のペースで増加していると言われ、今後もどんどん増えることが予想されています。

高知県には空き家はたくさんあるのですが、そのほとんどが放置されたままで、活用できる空き家が少ないのが現状です。

高知県への移住希望者で、空き家を探したものの見つからずに諦めたケースはなんと毎年200件以上と言われています。

空き家はそのままにしておくと大変なことに!

空き家の老朽化はあっという間に訪れます。人の出入りがない状態が続くと、湿気がこもり、木造部が腐ったり、金属部がサビついたり。早ければ1年で老朽化してしまいます。状態によっては、修繕に100万円以上かかることもあります。しかも、固定資産税などもかかってきます。

管理されていない空き家にはさまざまなリスクがあり、相続放棄しても「管理義務」は残りますから。場合によっては損害賠償などの管理責任を問われることも……。

2030年の空き家率の予測は?

さて、2030年の空き家率の予測は?

ここからは2018年に野村総合研究所が発表した「不動産市場に関する予測レポート」から、2030年の空き家率について見ていきましょう。

このレポートでは、2030年度までの新設住宅の着工戸数と大工の人数、そして総務省統計局の住宅・土地統計調査が実施される年の空き家数・空き家率について予測しています。

まず、新たに建設される住宅と大工の人数については、いずれも減少していくことが予測されています。

新たに建設される住宅は2017年度には95万戸だったものが、2025年度には69万戸、2030年度には60万戸となるといことです。

住宅の用途別に見ると、2030年度の新設住宅は持ち家が20万戸、分譲14万戸、賃貸26万戸です。

この予測によれば、2017年度から2030年度にかけて、新たに建設される住宅の戸数の減少率は持ち家が29%、分譲44%、賃貸37%となり、全体では37%も減少するのです。

2023年は空き家数1,293万戸で空き家率19,4%、2028年には空き家数1,608万戸で空き家率は23.2%、2033年には空き家数1,955万戸で空き家率27.3%となる見通しです。

ただし、2030年までに野村総合研究所の予測ほど空き家率が上昇しない可能性はあるものの、いずれにせよ今後も空き家数・空き家率は増加していく可能性は高いといってよいでしょう。

2030年に向けて空き家の増加を抑制するには?空き家対策について

国の対策、空き家対策措置法とは?

それでは最後に、2030年に向けて空き家の増加を抑制するための対策についてご紹介しましょう。

空き家の増加を抑制するための国の対策として、空き家対策特別措置法があります。

この法律は放置空き家により引き起こされる問題を回避し、空き家の適正管理や活用を促進することを目的に、2015年に施行されました。

空き家対策特別措置法では、管理が行き届かず、周辺地域に影響するようなトラブルを引き起こす可能性があると判断された空き家を特定空き家に指定します。

特定空き家に指定する際の判断基準は、まず、住宅の基礎や構造、外壁などの強度が不十分な状態で、破損や倒壊の危険があると判断された場合がこれにあたります。

特定空き家の所有者には、行政から適正管理のための助言や指導、勧告を出されます。勧告の段階で状況の改善が見られなければ命令、さらに行政代執行などの強制措置が取られます。また、勧告または命令に従わなかった場合には、固定資産税の優遇措置からの除外や罰金などのペナルティが課されることになります。

このように、空き家対策特別措置法は放置空き家の増加を抑制するための措置ですが、そのほかにも各自治体は補助金や空き家バンクなど、空き家の利活用を推進する取り組みをおこなっています。

まとめ

空き家率のランキングは一位が山梨県、2位が和歌山県、3位が長野県でした。この順位はまたかわるかもしれません。

全国的にどの都市も空き家問題を抱えています。実際、2020年まで日本の空き家率は増加を続けてきました。2030年にかけては新規住宅の建築戸数が減少するにもかかわらず、空き家率は増加傾向にあります。

国や自治体は法律の整備や補助金、空き家バンクなどの対策を講じていますし、これらに加えて、空き家の有効活用に対する意識の高まりが2030年に向けて空き家率を抑制できるかの鍵となりそうです。

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